内部結露を防ぐためには内外の透湿抵抗の比を適切にすることが必要だとわかりました。
もう一つ重要な項目があります。それが気密化です。
たとえ防湿層(気密シート)を張ったとしても、隙間があったのでは水蒸気は容易に進入してきます。
カナダの住宅で1㎡の石膏ボードの壁に2cm×2cmの穴を開けると一冬に30Lもの水分が壁の中に浸入するというシュミレーションがあります。穴が無ければ0.3Lしか入らないといわれています。
外側の防風層も気密でなければ冷気が断熱材の中に進入してきます。防水の面でも有利に働きます。
断熱構造では防湿層、防風層共に高い気密が求められるのです。計画換気と同様、内部結露を防ぐためにも気密を高めれば高めるほど安全という原則があったのです。
気密化は壁の中に水蒸気が浸入するのを防ぐことと、換気を適正にするためで、隙間風を防止して寒さ防ぐためだけではなかったのです。
南雄三著「断熱・気密のすべて」より