結露には表面結露と、壁の中の内部結露があります。まず表面結露について考えてみましょう。
表面結露を防ぐためには、空気を冷やさないことと、水蒸気の量を少なくすることです。
室内を全室暖房にして温度差を無くし、24時間計画換気で浴室や台所からの過度の湿気を排出すればよいのです。
そのためにどの程度の断熱・気密化をすれば、一部屋で消費していた暖房費程度で結露せず、全室暖房が可能になるのでしょうか。
暖かさには個人差があり、大まかな表現となりますが、首都圏の次世代省エネ基準の熱損失係数(Q値)2.7W/㎡K程度では無理があります。
熱損失係数(Q値)は1.6W/㎡K以下で何とか可能になるレベルです。
Q値を1.0W/㎡K以下までもってくれば、もっと暖房消費エネルギーは少なくなりますが、壁の厚みが200ミリ以上必要になることと、熱交換換気システムの給気ダクトの汚れの可能性はまだ解決していません。
壁厚をツーバイシックス程度の200ミリ以下に抑え、LOW-Eペアガラスのオール樹脂サッシで、シンプルな第三種換気を使用して、Q値1.3W/㎡K程度が、健康住宅としてバランスの取れた設計となります。
*熱損失係数(Q値)とは 建物内部の室温が外気温よりも1℃高いときに建物全体から外気に逃げる熱量のことです。
建物の熱保温性能ともいう。