日本の太平洋側は世界的にみても冬季の日射量が多い地域です。その日射熱を蓄熱式床暖房の床面にダイレクトに蓄熱して、さらに暖房費の削減が可能です。

南面の開口部から日射を取得します。そして東面、西面、北面の開口部の面積を小さくします。ただし通風と明るさも考慮して大きさを決めてゆきます。

南面は真南±22.5°の方位で、開口率は床面積の20%以上が望ましいのですが、耐震性を考慮すると15%前後となります。開口率を上げる工夫として、外付けサッシにしてガラス面を広く取る方法があります。

南面の窓ガラスは遮熱Low-Eを使用せず、断熱アルゴンLow-Eを使用して日射進入率を高くします。そして東面、西面、北面は遮熱アルゴンLow-Eペアを使用します。

ハリマハウスで施工した建物(述べ床面積131.49㎡)をQpexで計算したのですが、全て遮熱アルゴンLow-Eガラスを使用した場合の年間暖房負荷は3046KWhですが、南面を断熱アルゴンLow-Eガラスに変えると2131KWhとなり、約1/3の暖房エネルギー消費の削減となりました。

夏の日射遮蔽が重要となりますので、次回はその対策をまとめてみます。