熱損失係数Q値が1.60W/㎡k以上の高断熱・高気密住宅に居住して、残念に思うことは開口部からの冷輻射です。

壁や床から冷気を感じないため、余計に気になるのかもしれません。

熱貫流率U値が2.0W/㎡k程度の断熱サッシではこの冷輻射を防げません。そこで窓の内側に断熱スクリーン「ハニカムサーモスクリーン」等でカバーするのですが、きっちりと閉めてしまうと窓の室内側が結露します。

開口部の断熱補強は窓の外気側で行うことが理論的にも正しいでしょう。

冷輻射を感じさせない窓には、熱貫流率U値が1.0W/㎡k程度の断熱サッシが必要だといわれています。弊社では樹脂サッシでトリプルガラス仕様の、スタイルテックトリプルガラス35(U値1.1W/㎡k)を推奨しています。「harima-O仕様」

しかし準防火地域用の高性能断熱サッシとなると話が違ってきます。
防火認定の取れている樹脂サッシは、熱貫流率U値が2.0W/㎡k程度です。しかも2倍程度価格が高くなります。

木製サッシは、熱還流率U値が1.2W/㎡k程度の防火サッシがありますが、やはり2倍程度価格は上がります。

そこで弊社では樹脂サッシの外気側に防火シャッターを使用する事としました。大きな掃き出し窓はもちろん、巾700×高さ900程度の窓にシャッターを使用しても、価格では1.5倍程度で収まりました。

2013年4月、東京都武蔵野市で工事を始めました。

U値1.1W/㎡kの樹脂サッシ、トリプルガラス仕様に、防火シャッターの組合せで、準防火地域に対応する高性能断熱サッシとして推奨します。

また「改正省エネ基準」では、開口部に対して、建築的に設置される雨戸やシャッターは、その開口部の熱貫流率を補正する事ができます。

U値1.1W/㎡kのトリプルサッシに防火シャッターを設けた場合の開口部のU値は1.05W/㎡kと補正されます。

補正は下式で計算します。南雄三著「改正省エネ基準2013」より抜粋