ここでは健康住宅を前提として、高断熱・高気密性能を追求してまいりたいと思います。

最近話題のドイツのパッシブハウスの熱損失係数(Q値)は0.7W/㎡k前後、一条工務店の i-smart がQ値0.82W/㎡kといわれています。ここまでQ値を高めれば、暖房のエネルギー消費量削減効果は見込めるでしょう。

第三種換気設備を使用したハリマハウスが創る高断熱・高気密住宅の熱損失係数(Q値)は1.1W/㎡kから1.6W/㎡k位になっています。熱交換率90%の熱交換換気システムを導入すれば、一条工務店並みのQ値にはなります。

しかしダクトを通して給気する第一種換気の熱交換換気システムは、ダクト内の汚れを除去できないため、10年~20年後の匂いや空気質の低下が予想され、健康住宅としては給気側にダクトを使用しない第三種換気システムやダクトレス第一種熱交換換気を取り入れたいところです。

このように健康住宅を推し進めてゆくと、一次エネルギー消費削減を前提とした高断熱・高気密住宅のパッシブハウス等とは設計が違ってきます。


日本の次世代省エネルギー基準と各国の基準を熱損失係数で比較。暖房度日が大きいほど寒冷。寒冷なほど熱損失係数は小さくなることが求められる。Ⅳ地域の東京では立川から西は暖房度日2000日から2500日のⅣa地域に、立川より東側の地域は暖房度日1500日から2000日のⅣb地域に分けられています。
(建築技術2010年1月号 南雄三氏の作成図を基にしています)