YUCACOシステムは東京大学名誉教授坂本雄三先生が発案し推進している高効率エアコン一台で全館空調する省エネルギーシステムです。
今までの全館空調といえば、ダクトで各部屋に給排気する大掛かりな空調設備が必要でしたが、高断熱・高気密化を図ることで、エアコン一台での全館空調が可能となりました。
まずエアコンの必要暖房能力(W)を簡便な推定方法ですが計算してみます。
必要暖房能力(W)=Q値(W/㎡K)×延床面積(㎡)×内外温度差(℃=K)
Q値はharima-J仕様の1.3W/㎡Kとし、延床面積は120㎡で外気温度5℃、室温22℃として計算すると
2652W=1.3W/㎡K×120㎡×17℃ 定格2.65KWのエアコンが一台あれば全館暖房が可能です。
夏は温度差が冬より小さいので余裕があります。この余力内で家電排熱や人体発熱も含め冷房できるように日射遮蔽をしっかりと行えばエアコン一台で夏の冷房も可能となります。
上図はharima-J仕様+YUCAKOシステムの概念図です。
夏季は屋根裏のエアコンを27℃前後に設定して連続運転します。エアコンで空調された冷気が第一種熱交換換気の給気側から吹き出た空気と混ざり合い吹き抜けから二階へ降下します。一階へ吹き抜けを設けられない場合は、4W程度のDCモーターで一階天井までダクトを通し吹き出します。基本的にダクトレス第一種熱交換換気となります。
給気側はダクトを使用せず冷気と給気を建物全体に回す設計です。第一種熱交換換気はデシカホームエアを使用して、除湿と加湿機能を加味してもよいでしょう。
冬季は蓄熱式床暖房をメイン暖房とし、屋根裏エアコンは補助暖房とします。日射熱を取得する設計なので、晴れた日はエアコンを運転しなくても十分な暖かさが得られます。
基本的にダクトレス給気なので、ダクト内の汚れの心配もなく、また床下まで暖気を送り込まないため、床下のメンテナンスも不要です。
床下からのカビやダニの発生が無く、省エネでクリーンな暖冷房システムです。