起業後は㈱ウェルダンと同じ仕様で施工した。

基本構造は2×4工法で高性能グラスウール16Kを90㎜充填する。室内側に気密シートを貼る。蓄熱式床暖房を標準仕様とした。
C値(隙間相当面積)は0,6cm2/㎡以下で施工し、Q値(熱損失係数)は1,6W/㎡℃以下で設計する。
会社に勤務していた時は会社から情報は入ってきた。今は求めなければ何も入ってこない。しかし求めれば色々な情報が入ってくる。そして実行できる。
外断熱にも取組んで見ようと思っていた平成12年その機会がやってきた。
相模原市上溝のS様ご夫婦は夫のご両親と二世帯住宅を計画していた。建築敷地は1,000㎡近くあり建物規模も200㎡位の大型案件だ。
総合住宅展示場を機会あるごとに見学したため、20社以上の営業が訪ねてきたそうだ。私が訪問した時は、ハウスメーカー6社に絞った時だった。
奥様から「もうこれ以上検討する会社を増やしたくない」と断られてしまった。あきらめての帰り際、計画内容をを聞いてみた。
「外断熱にも興味はあるが施工会社が少なくどうなるか解らない」という。
数日後外断熱の資料を持って行った。持って来て頂いても検討はできないので結構ですとまた断られた。「参考にしていただければけっこうです」と置いて帰る。
翌日も外断熱の資料を持って行った。「計画の参考にしていただくだけで結構ですから」と手渡した。
「山際さんにはお話を聞くだけになると思いますが、それでもよろしいですか」中に入れて頂いた。
それからは今まで集めた断熱・気密、計画換気、暖房、通風計画と資料を提示して説明した。主人に合ってくれということになる。
複数社競合する場合は必ず最後に2社残る。それまでは本命でなくて良い。生き延びて、最後の競合相手を予測し、断熱・気密で競う流れをつくる。
妥協して大手ハウスメーカーで建てるか、清水の舞台から飛び降りてハリマハウスにするか、いよいよ決断の時が来る。
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外断熱材はアキレスボードを使う事にした。アキレスでは 南 雄三 先生が工務店を対象にしたセミナーを行っている。その内容が面白くて、営業にも役立つので今も参加させて頂いている。
工務店にとって情報収集は重要な仕事だ。