起業はしたが思うように営業ができず二ヶ月目で行き詰まった。
ハウスメーカーに勤務していた時は、月末に追い詰められると、どこからともなく驚くようなアイデアが降ってきた。

成立不可能と思える商談を次から次へ逆転し契約した。追い詰められぎりぎりの状況を楽しめるようにさえなった。
しかし今は良い案が出ない。閃かない。
そんな中、起業の御祝いを頂いたS 様から電話が入った。

S 様はハウスメーカー時代にアパートを2棟建てて頂いたお客様だ。
「勤務先の同期が建て替えを計画している」さっそくアポイントを取りお伺いした。
ご紹介されたI 様は北欧スタイルのSハウスで建てるつもりだと言う。「S 様がたびたび薦めに来たので半分は仕方なく話を聞いている」そんな状況から計画は始まった。
同期だが部署が違うため普段は顔を合わせることは殆ど無いが、その後もS様が度々職場を訪れ薦めてくれたそうだ。そのお陰で決めていただくことが出来た。
その現場から次の計画も決まり何とか小船で大海に出る事ができた。その紹介が無ければ行き詰まっていたと思う。
家を造るご家族は、仕事が順調で家族の仲も良く幸せだから未来に向い夢を描ける。

住宅の営業はその幸せなお客様とだけお付合いが出来る、まことに幸せな仕事だ。
性格は変わらないが、前向きに考えられるように変わって行ったのは、そのようなお客様と接し続けていたからだと思う。