今年は暑かったからだろうか体験ハウスへ「本当に涼しいの?」半信半疑な顔をされたお客様が時々来展した。
この3月に高断熱高気密住宅で新築されたK様もそうだ。奥様はエアコンが苦手なためエアコンを使用しなくても夏涼しい家を希望され、昨年の暑い日に住宅展示場を回り、わざわざエアコンの運転を止めてもらい比較して決定したそうだ。
しかし今までの家より熱気が篭り暑くてたまらず、エアコンを使用しなくても涼しい室内環境を求めて来展された。
体験ハウスでは屋根裏の2,8KWエアコン1台で延べ約50坪がちょうど良い涼しさになる。しかし今年は東の窓を緑のカーテンで遮熱し、西の窓は外付けスクリーンで遮熱してエアコンは使用せず営業した。
K様は職場での話題からこの体験ハウスの存在を知ったという。8月21日午前11時頃お見えになり暑くなりそうな屋根裏に上がられた。外気温34,5度、室内は30,1度で湿度は60%を超えていたと思う。
しばらく無言でいらしたが「この涼しさを求めていました。ほんとうにエアコンを使用しなくても快適ですね」と奥様がおっしゃった。ご主人は「子供の頃の暑い日に畳の上で気持ちよく昼寝をしたんだが、久しぶりにその感覚がよみがえり感動しています」楽しそうに寝転がった。
K様には今の屋根の上に、硬質ウレタン100㎜+通気層60mmを設け屋根を葺く二重屋根構造と風が通り抜ける窓の増設をご提案した。
昨年の9月、武蔵工業大学環境情報学部教授 宿谷昌則先生の「エントロピー・エクセルギー」で考える 人・建築・環境の循環デザインと銘打ったセミナーに参加させて頂いた。
人にっとて快適な室内環境は室内温度より床・壁・天井の温度が重要で、冬は床・壁の温度が24℃で室内温度が20℃だと快適である。夏は室内温度より天井・壁の温度が低いと快適であるという。
すなわち冬の暖房は床暖房やパネルヒーターが快適である。夏は天井・壁に熱を溜めない構造が不可欠であり、その上で室内の空気が動き蒸発する環境が快適である。窓を閉めエアコンを使用した環境での室内温度はその逆になり快適度は落ちるという。
ハリマハウスの冬はこの快適な室内環境になっている。しかし夏は窓を閉め効率は良いがエアコンを使用している。

体験ハウスは天井・壁に熱を溜めない構造になっている。窓を開けてみよう。
体験ハウスに出現した空間は、大きなお寺の堂内や子供の頃住んだ田舎の家の感覚だ。

風が抜け汗が蒸発してとても気持良い。少なくともエアコンが苦手な方には最適な空間であろう。昼寝をするにはもってこいだ。

しかし昼寝は習慣になる。この文も眠くてなかなかまとまらない。