高断熱・高気密住宅専業工務店として1995年10月に八王子市で創業し19年目を迎えました。

創業前は大手ハウスメーカーに営業として勤務し、東日本地区営業マンランキングの上位を維持することに必死の毎日を送っていました。40歳を過ぎた頃、妻が「独立した方がよい」と言い出しました。営業成績が良いということは、部下には説得力を持ちますが、一部の上司から煙たがられていたのも確かで、思い悩みましたが半年後独立を決意しました。

ちょうどその頃、本格的な高断熱・高気密住宅を設計施工しているビルダーのK社長と知り合い、その快適さを体験し、高断熱・高気密住宅専業工務店として進む方向が固まりました。

今思えばこの出会いが、厳しい創業期を乗り越えさせてくれたと思います。

当時の多摩地区で高断熱・高気密住宅といえば、FC系のカネカソーラーサーキット工法かスーパーウォール工法に加盟している工務店、ナイスハーティホーム、ウェルダン、スウェーデンハウス等でした。大手ハウスメーカーでは「高気密にすると窒息しますよ」という時代でした。

1995年12月、勤めていたハウスメーカーのお客様から紹介して頂き、創業1棟目の契約を交わしました。施工はビルダーのK社長にお願いしました。それから8棟の工事を引き受けていただくことになります。

起業して5年目位までは「清水の舞台から飛び降りる気持ちでハリマハウスさんに決めました」この言葉をよく聞きました。何も言わずに契約して頂いたお客様も同じ気持ちだったと思います。

すべてのお客様が総合住宅展示場を巡りネットで情報を集め、雑誌や専門書を読む熱心で頭の良い人達です。実績が無く一人で住宅を請負、いわば実態の無い会社を選ぶ事は常識では考えにくい。おまけに他社より決して安くはない。

この不可能なような事が可能になったのはなぜだろうか。

やはり快適な生活を何よりも優先する人がいるということだと思います。

500万円以上の建築工事を請負には建築工事業の許可が必要です。その許可を取るためには管理建築士の資格と5年以上の役員経験が必要でした。2級建築士の資格を取るため専門学校に一年通い資格を取得し、創業5年後に建築工事業の許可を取得しました。

自社施工の1棟目は在来工法の充填断熱でした。壁は高性能グラスウール16K120㎜、天井は高性能グラスウール16K180㎜を充填し、室内側に気密シートを貼るのですが、気密シートを貼ってはテープで繋ぎ、うまく貼れない時は貼り替えたりしながら気密施工の煩雑さを経験しました。なんとか完成させ、気密測定を行いC値が1.2c㎡/㎡位の気密性能だったのを覚えています。

2000年8月に初めて外張断熱に取組みました。在来軸組工法で壁に硬質ウレタン50㎜、屋根に硬質ウレタン80㎜を貼り、樹脂サッシを使用して、C値は0.9程度でした。基礎パッキン、屋根断熱と壁断熱材のつなぎ目の気密のポイントも分りました。

創業7年目に念願の体験ハウスを建てることになります。