外張断熱では外皮の柱などの構造体は室内側になるため、木材の持つ蓄熱性と調湿性を活かせます。

蓄熱は室温を安定して保つのに効果のある技術で、日中は熱を吸収して室のオーバーヒートを防ぎ、夜間は吸収・蓄熱した熱を放出して室温の低下を防ぎます。

また、夏期においては逆に夜間の冷気を蓄え(蓄冷)、日中の冷却効果をもたらすことも可能です。

自立循環型住宅の設計ガイドラインでは、蓄熱効果が期待できる熱容量は、延べ面積150㎡程度で約30,100KJ/℃以上との記載があります。

ツーバイフォー工法の木材使用量は、延べ面積150㎡程度で約20m3、合板類は約11m3使用します。容積比熱を掛けると、20m3×1624KJ/㎡+11m3×1113KJ/㎡=44,723KJ/℃となり、十分蓄熱効果が期待できる熱容量を持っている事が解ります。

充填断熱では外皮側の壁、屋根の熱容量を十分利用できず、熱容量が半減します。

弊社ではさらに、蓄熱コンクリートが75㎡×0.07m×2013KJ/㎡=10,568KJ/℃の蓄熱容量を持っています。そして石膏ボードが約450㎡×0,012m×854KJ/㎡=4,611KJ/℃加わります。

合計すると熱容量が59,902KJ/℃あり、室温が安定している事がこの数字でもよく解ります。

調湿性を活かすためには、ビニールクロスは使用せず、透湿する壁仕上げ材を使用します。

ドイツの壁紙オガファーザー等は、ビニールクロスと同程度の価格でお勧めです。

水蒸気が壁の中と室内を移動して調湿する事で熱も移動します。蓄熱層へ、より多く熱を運べる構造となっています。