6月1、2日新住協の全国総会、研修会が広島で開催され参加しました。

参加会員は119社、約250名と発表されました。

研修会では、熱損失係数Q値・エネルギー消費量計算ソフト「QPEX」の新バージョン「QPEX3.10」が配布されました。新たに冷房負荷も計算できるようになっています。

室蘭工業大学鎌田紀彦教授は、冷房負荷について面白い計算データを示しました。

エアコンを間欠運転して夜間通風した場合の冷房負荷は小さく、多いのはエアコンを連続運転して通風無し、なのは予想通りですが、通風無しの場合は次世代基準とQ1.0レベルの住宅とでは冷房負荷は大きく変わらないという計算データを発表しました。

Q1.0レベルの住宅は5,6月と9,10月で次世代基準レベルの住宅より冷房負荷が多くなっていました。

高断熱・高気密住宅の、いわゆる熱篭り現象が計算データで明らかになったわけです。ちなみに、この計算を行うのに、高性能パソコンで30分~50分かかる計算を一万回以上行ったそうです。

このことをふまえ実施設計で対策をとるとともに、住まい方のアドバイスもできるわけで、大変貴重な計算データです。夏至は6月21日で、その後は太陽角度が下がることを、日射遮蔽の計算に入れる必要があります。

壁300㎜断熱に取組んでいる北海道の工務店の事例発表などがありました。

「外断熱が危ない」の(有)西方設計がQ値0.75レベルの温熱環境の実測値を発表されました。

一工務店ではなかなか得られない、活きた情報を得ることができる有意義な研修会でした。

関係者様ありがとうございました。