鉄骨プレハブ住宅の断熱改修工事が昨年の11月に完成して、冬から春そして一夏過ぎ、お客様の声を聞いてみました。
建物は築25年のへーベルハウスです。まずどのように断熱改修するのか検討しました。
鉄骨の熱橋を考慮すると、鉄骨プレハブ住宅は外張り断熱が基本となります。
しかし調査の結果、外壁のへーベル板はコーキングの亀裂がなく再塗装されていて、大変綺麗な状態でした。屋根のシート防水も問題なく、天井、壁、床、全面内張り断熱としました。
1階床はへーベル板の上に30㎜のQ1ボードを全面貼。壁は石膏ボードの上に30㎜のQ1ボードを全面貼。そして天井は野縁を全て取り、Q1ボード40㎜の上に高性能グラスウール16Kを90㎜敷き込みました。
床、壁、天井共構造体の内側に断熱材を連続させ、繋ぎ目に気密テープを貼り、気密も取りました。
又1階と2階の間の胴差部は梁があり、内側からだと断熱材が繋がらないため、現場発泡ウレタンで1階と2階の間の胴差部を断熱して繋ぎました。
冬季は床上蓄熱式床暖房をヒートポンプの深夜運転で蓄熱させ、余熱で夜まで暖かい空間が生まれました。これは計画通りでした。
計画と違ったのは夏季でした。
夏は風を入れ、できるだけエアコンを使用しない計画でしたが、アルミサッシの室内側に内窓「インプラス」を全ての窓に入れた結果、断熱性と気密性が上がったのと相まって、遮音性が格段に上がりました。
車が多い道路に面した敷地なのですが、今までは窓を開けても平気だったのに、遮音性が上がった室内に慣れた結果、夏に窓を開けてみて、その騒音に驚いたそうです。
残念ながら窓は締め切りで、エアコンを少し入れるパターンでひと夏過ごされました。
奥様は「埃りも少なくて掃除が助かるし、涼しくて快適です」お伺いした時に笑顔で迎えて頂けました。
この計画が成功したのは、私を信用して「断熱改修は全面改修が基本」という話を全面的に受け入れてくれた、お客様の決断にあると思いながら帰路につきました。