ただ今設計中のA様邸(延べ床面積96.88㎡)の熱損失係数Q値を算出しました。

熱損失係数Q値1.312W/㎡K、外皮平均熱貫流率Ua値0.46W/㎡K、年間暖房負荷は1,130kwhでした。次世代省エネ基準の暖房負荷60.8kwh/㎡に対して11.7kwh/㎡となり、室温20℃を維持するのに約1/5の暖房エネルギーで済む計算です。

下図参照
20140125_QPEX_low.jpg
ハリマハウスでは南面の窓ガラスに日射侵入率の高いガラスを入れ、日射熱を室内に取り込み、暖房エネルギーの削減を図っています。

今施工中のO様邸は旭硝子ピュアクリアE、アルゴン16㎜のペアガラスです。熱貫流率Ug値1.18W/㎡K、日射侵入率ηg値は0.62で、同じガラスで計算しました。

北面、東面、西面は旭硝子アクアグリーン、アルゴン16㎜ペアガラスの遮熱LOW-Eです。熱貫流率Ug値1.15W/㎡K、日射侵入率ηg値は0.40となります。

南面に西面で使用している遮熱LOW-Eガラスを入れるとどう変わるでしょうか。試しに計算してみました。

下図参照
20140125_QPEX_high.jpg
なんと暖房負荷が約1.5倍に増えました。南面のガラスを断熱ガラスから遮熱ガラスに変えただけで、年間暖房負荷が11.7kwh/㎡から17.6kwh/㎡に!

年間冷房負荷はどうでしょうか。7.5kwh/㎡から7.1kwh/㎡に減少していますが僅かです。

熱損失係数Q値や外皮平均熱貫流率Ua値が同じでも、暖房エネルギーがこんなにも違ってくるのですね。太平洋側の日射量の多い地域ではぜひとも取入れたい設計手法です。