改正省エネ基準では、設備も含めた一次エネルギー消費量基準が新たに導入されました。

外皮性能では熱損失係数Q値、夏期日射取得率η値から、外皮平均熱貫流率Ua値、冷房期の平均日射熱取得率ηA値が新たな指標として用いられることとなりました。

熱損失係数と外皮平均熱貫流率は次式で定義されます。
熱損失係数[W/(㎡K)]=(外皮熱損失量[W/K]+換気熱損失[W/K]/床面積合計[㎡] 外皮平均熱貫流率[W/(㎡K)]=(外皮熱損失量[W/K]/外皮面積合計[㎡] 熱損失係数は床面積、外皮平均熱貫流率は外皮面積が分母となります。

弊社では設計提案の段階で熱損失係数Q値計算をしていますが、200㎡位の住宅では、外張断熱のharima-J仕様に、第一種熱交換換気を入れるとQ値は1.0W/㎡Kを切ってきます。しかし100㎡位の住宅では思いのほかQ値は上がらず1.3W/㎡K程度です。

一条工務店のi-smartのQ値は0.8W/㎡K程度だそうですが、i-smartとharima-J仕様で検討していたM様の床面積101.02㎡プランで、i-smart仕様のQ値計算をしたのですが1.2W/㎡K程度でした。

このようにQ値計算は小規模な住宅では熱が逃げやすい計算結果になるため、外皮平均熱貫流率Uaに変更されたようです。

下図参照(建築技術2014,01)
20131224_Q-UA.jpg
また夏期日射取得係数η値から、冷房期平均日射熱取得率ηA値へ取って代りましたが、やはり分母は床面積合計から外皮面積合計へ変わっています。

住宅の規模や形状で大きく変わっていた熱損失係数Q値から、ほぼ一定の数値で示される外皮平均熱貫流率Ua値へと変わり、躯体性能を簡単に比較できるツールとして利用されることをお勧めいたします。