構造体が室内側にくる外張断熱は、木造躯体の蓄熱性と調湿性を生かせ、断熱材が途切れず、気密施工も簡単なため高気密化しやすく、壁体内結露にも安全など優れた特性を持っています。

その特性を生かし、結露が無く、カビも無く、ダニが少なく、ハウスダストも少ない健康住宅の基本構造です。

そして自然エネルギーを取り込む設計から消費エネルギーの削減をしています。

日本の太平洋側は世界的にみても冬季の日射量が多い地域です。その日射熱を蓄熱床暖房の床面や木造躯体にダイレクトに蓄熱して暖房費の削減をしましょう。

南面の窓ガラスは遮熱Low-Eを使用せず、断熱アルゴンLow-Eを使用して日射進入率を高くします。そして東面、西面、北面は遮熱アルゴンLow-Eペアを使用します。

ハリマハウスで施工した建物(述べ床面積131.49㎡)をQpexで計算してみました。全て遮熱アルゴンLow-Eガラスを使用した場合の年間暖房負荷は3046KWhですが、南面を断熱アルゴンLow-Eガラスに変えると2131KWhとなり、約1/3の暖房エネルギー消費の削減となりました。

調湿性を活かすためには、ビニールクロスは使用せず、透湿する壁仕上げ材を使用します。

ドイツの壁紙オガファーザー等は、ビニールクロスと同程度の価格でお勧めです。

水蒸気が壁の中と室内を移動して調湿する事で熱も移動します。木造躯体の蓄熱層に、より多く熱を運べる構造となっています。

夏は風を取り入れ冷房費の削減をします。通気シャッターなどで夜間の冷気を室内に取り入れる工夫をします。

計画換気は第三種計画換気を使用します。窓を開けても、トイレや浴室のダーティゾーンからの排気量は変わらず、通風計画を考慮した設計では、使い勝手のよい換気システムです。

結露しない健康住宅の基本構造と、消費エネルギーを削減する仕組みの「自立循環型住宅」です。