エアコンによる冷房から自然涼房へと進んできたのは省エネというよりその方が快適だからだ。エアコン冷房よりも風を入れる涼房の方が快適だというようなデーターは持っていない。あくまでも私の感覚ではある。しかしハリマハウスの体験ハウスを訪れた大半のお客様は「気持ちのよい涼しさ」だといって帰られる。
風が通り抜ける力(エクセルギー)は無限に大きいと感じる時がある。南面の天窓周りは外付けオーニングで日射遮蔽しているがさすがに熱が篭る。エアコンではこの熱は防ぎきれない。しかし風を入れると篭った熱は瞬く間に飛んでゆく。熱を持ち去る自然風の大きな力を実感する。
夏季に窓を開け風を入れる目的は、人体の発汗作用を促す、生活熱の排出、室内に入った日射熱の排出、そして夜間蓄冷である。夏でも雲が無い夜は上空からの放射冷却で水平面が冷やされる。私の住んでいる八王子市で今年の7月30日の午前5時の外気温度は23℃で屋根温度は21℃だ。
防犯対策にブラインド雨戸やシャッター、面格子等を設け、夜間窓を開けられるように計画し冷気を夜寝ている間に窓から取込む。その取込んだ冷気を蓄冷する床や壁を室内に設け昼間の室温上昇を抑える。24時間で大きく変化する外気温度を蓄熱や蓄冷により平均温度に近い室温が可能になる。