「蓄冷住宅の涼しさを暑い日にぜひ体験したい」旨のご要望をお寄せ頂き、晴天の8月16日(土)外断熱蓄冷住宅見学ツアーを行った。
3組4名様と弊社の内田、山際が参加する。猛暑の午後1時30分東京都八王子市散田町の蓄冷住宅に到着。外気温は34.6℃、湿度38%である。玄関に入ると暑くはない。エアコンで冷房した冷たさとは違う。
ヒートポンプは深夜電力時間帯の夜11時から朝5時まで冷水温度20℃で運転している。床仕上げは一階蓄冷床全面に大理石を使用、二階蓄冷床はタガヤサン無垢フローリングと磁器タイル張りだ。
スリッパを履かず一階蓄冷床に上がる。大理石ということもあり少し冷たく感じる。床の温度は23℃~24℃、壁は26℃だ。朝5時にヒートポンプの運転が止まり8時間以上経過している。しかも外気温が34℃を超えてこの涼しさを保っている。



蓄冷容量の大きさと遮熱設計、Q値1.16の実力からこの室内温度が可能なのだ。参加者からの質問が矢継ぎ早に放たれるが建て主の的を得た説明に聞き入るうちに暑いとか涼しいとかの感覚は無く自然な快適さが増してくる。
しかしこのシステムは使い方を間違えれば結露を引起す。基本的にはタイマー運転でよいが使用者がその特性を理解して温度の変わり目や天候の変化にも注意を払う必要がある。場合によっては導入を諦めて頂くケースもあるだろう。
ここの建て主のようによく理解して使用すれば異次元の快適空間を取得できる。心配していた結露の形跡もまったく無く室内湿度も60%前後で推移しているという。
「私はエアコンの効いた事務所で一日中勤めており自宅に帰った時ぐらいはエアコンを使いたくないのですが暑くてやむなく使っている。今度建てる家ではこのマイルドで自然な涼しさの蓄冷システムをぜひ使いたい。」と参加された奥様が話された。
エアコンより快適で電気料金も安く抑えられ冬期は蓄熱床暖房として使用できるこの蓄冷システムをより多くの方に体験して頂きたい。