国土交通省の外郭団体「建築研究所」の坂本雄三理事長が委員長を務めるHEAT20委員会がスタートして5年。建築断熱の技術や快適な室内環境設計について、公平に分り易く解説した「HEAT20設計ガイドブック」が発刊されています。

まず注目の推奨する断熱グレードですが、外皮平均熱貫流率UA値G1グレードで0.56W/㎡・K、G2グレードで0.46W/㎡・Kとなっています。

熱損失係数Q値換算ではG1グレード1.9、G2グレードは1.6です。弊社のharima-S仕様がG1グレード、harima-J仕様がG2グレードに近い数値です。

国の現行省エネ基準の断熱グレードは、外皮平均熱貫流率UA値0.87W/㎡Kです。トップランナー基準のQ値換算は1.9でした。それを上回る「HEAT20G2グレード」0.46W/㎡・K(Q値換算1.6)が推奨基準で提示されました。

2020年には現行省エネ基準が義務化されます。国としてこれからも高断熱化の流れ、方向性は間違いのないところでしょう。

断熱工事費と冷暖房費を30年のトータルコストで比較した表があります。

表1(縮小)

 

Q値換算1.9程度の断熱グレードに、高効率エアコンを組み合わせた住宅が30年間のエネルギーコストが一番少なくなっています。このレベルで建てるのか、快適性、健康性を加味し、UA値0.46のHEAT20G2グレードなのか、もう少し上のUA値0.34(Q値換算1.0)なのか。

お客様が、断熱工事費と、エネルギーコスト、快適性、結露などの健康性を総合的に検討し判断できるよう、ビルダー側からの情報発信も重要になってきていると思います。

表2(縮小)