今年の夏は異常な暑さでしたが、このような暑さでもエアコン一台で全館暖冷房することは可能なのでしょうか。

大容量のエアコンを使用すれば断熱性能が悪くても可能かもしれませんが、効率の良いエアコンは6~10畳用といわれています。2.2KWから3.0KWのエアコンです。

この程度のエアコン一台で可能な断熱性能Q値を、簡易な計算方法ですが以下の計算式で求めてみます。

必要暖房能力(W)=Q値×延床面積(㎡)×内外温度差(℃=K)

夏の外気温度38℃と仮定し室温を28℃にするために必要な断熱性能Q値を、2.8KWのエアコンを使用し、床面積120㎡で計算してみます。

Q値=2.8/(120×(38-28))≒2.2(W/㎡K)

次に冬の外気温度を5℃と仮定し、室温22℃にするために必要なQ値を計算してみます。

Q値=2.8/(120×(22-5))≒1.4(W/㎡K)

冬の方が内外温度差が大きいためこのような結果となります。Q値1.4程度の断熱性能で2.8KWのエアコン一台で全館冷暖房は可能です。

弊社のharima-J仕様+第一種熱交換換気で同程度のQ値となります。

但し夏は窓から入る日射熱や家電排熱、人体発熱が加わりますが、日射熱の遮蔽をしっかりと行えば、2.8KWのエアコン一台で夏の冷房も可能です。

以上のように、計算上はエアコン一台で全館冷暖房は可能ですが、建物全体にエアコンからの熱を行き渡らせるには、熱を運ぶ仕組みが必要になってきます。

HEAT20設計ガイドブックでは以下の事例を紹介しています。

ブログ用画像(編集済み縮小)

上図は熱を運ぶ技術の一例です。ハリマハウスでは個々のプランに合わせ、シンプルで確実に熱を運ぶシステムをご提案しています。