24時間計画換気は健康住宅で重要なポイントとなる項目です。
24時間計画換気を行う目的は、夜や冷暖房時などの窓を閉め切った時に、「快適な室内空間を維持するため、必要な量の新鮮空気を取り入れ、汚染空気を排出する」ということです。
水蒸気や匂いの出る、浴室、トイレ、台所から室内空気を排出して、人が長時間いるリビングや寝室へ新鮮な外気が給気されるように流れをつくります。
しかも最小の熱ロスで適正な給気量を常時確保するために、内外温度差や風の圧力差で給気量が変動しないように気密性能を高めます。
健康住宅としてこの原則から外れた換気経路になる場合は注意が必要です。
たとえばOMソーラーでは、軒先から給気して屋根面で暖め、そして床下へダクトを通してファンで送り込み、基礎の中を循環させ床下全体を経由してから室内に出てくるようになります。
床下にエアコンなどの暖房機を置いた空調ハウスの中には、新鮮空気をその床下に送り込んで、そこで暖房して温まった状態で部屋に出てくるといった方法も見られます。
これらは新鮮空気をダイレクトにリビングや寝室に入れるという原則から外れるため、フィルターや光触媒や空気清浄機を組み込んで欠点をカバーしています。
汚れという点でダクトはくせものです。1年や2年ではなく、ずっと使わなければならない24時間計画換気。メンテナンスもシンプルにできる単純なシステムを選びましょう。
24時間計画換気のイメージ図
南雄三著「断熱・気密のすべて」より