昔の日本の家は隙間だらけでしたから換気装置などは必要ありませんでした。ところがアルミサッシを入れるようになってから中途半端に気密性が上がってしまい24時間計画換気が必要になったのです。
それでは換気量はどのぐらい必要なのでしょうか。
空気の汚れの指針として使われるのが炭酸ガス(CO2)濃度です。人間は空気を吸って炭酸ガスを吐き出しています。炭酸ガス濃度が1000ppm以下なら空気は清浄だといわれています。
炭酸ガス濃度が1000ppm以下に抑えるためには一人当たり20~30m3/時の換気が必要です。
四人家族では30m3×4=120m3/時必要になります。日本の家の平均的な大きさは40坪(132㎡)程度ですから、132㎡×天井高2.3m=303m3室内に空気があり、303m3÷120m3=2.5となります。一軒の家で2.5時間で建物容積303m3の新鮮空気が必要になります。
以上のことから、安全をみて2時間で建物全体の空気が入れ替わるように換気量を設定します。すなわち必要換気量は0.5回/時となります。
必要換気量の0.5回/時は必要にして最小の熱ロスです。これ以上換気をするとその分が熱ロスになります。風の強い日や温度差の大きい日は過換気となりやすいのですが、換気量を一定に保つために、ここでも高気密化が必須です。
建物全体をバランスよく換気するために、第三種換気でどの程度の気密性能が必要なのかを調査したのが下の図です。
浴室などから87m3排気していますが、内外温度差30℃で隙間相当面積5c㎡/㎡の時に本来は給気しなければならないのに2階から+22m3出ています。
2c㎡/㎡の場合でも少し(+4m3)出てしまっています。
建物全体をバランスよく換気するためには、隙間相当面積は1c㎡/㎡が必要だということがこれでよく解ります。