蒸し暑い日が続いていますが、体験ハウスは室温27℃、湿度38%前後で推移しています。
もう当たり前になってしまいましたが、梅雨時にジメジメ感の無い室内はぜひ体験して頂きたい快適な空間です。建物全体で除湿と加湿を計算通りきっちりと行えることが、こんなにも快適な事だったのかと改めて思っています。
そしてようやくですが、デシカを導入する新築計画が2件進行しています。設置位置やダクト計画を綿密に練りロスの少ない設計を進めています。
加湿で重要なことは結露を防ぐこと。窓回りはもちろん壁体内結露にも注意が必要です。
体験ハウスのサッシはU値2.3ですが、冬期、相対湿度30%では結露しなくても50%まで上がるとすべての窓が結露します。経験的にU値1.3以上のサッシを使用すべきでしょう。
壁体内結露ですが、充填断熱では室内側の防湿シートを完璧に施工しなければ結露が起こりやすくなります。、室温21℃、湿度50%の室内の水蒸気がコンセントボックス等から壁体内に入れば、外気温が10℃以下で壁体内結露が発生します。これが室温21℃でも湿度が30%なら外気温が3℃にならないと結露しません。
また木部の熱橋も考慮した方が安全です。木部は断熱材の入っている壁に比べ室内側の温度が下がります。その木部に結露が発生して、見事に柱の部位がクロス越しに見えている現場を見た事があります。
壁体内結露に関しては、構造体が冷えない外張断熱が有利です。
除湿で重要なことは、外の水蒸気が室内に入らない構造ということでしょう。
そのために気密性能が重要ですが、長期に渡り気密劣化しにくい構造がよりベターです。
樹脂のトリプルサッシが大手サッシメーカーから新しく出ていますが、樹脂サッシ専業メーカーや、北海道の樹脂サッシメーカーと比べると気密が甘い。これは使ってみて気が付くことで、U値が良くても新商品を使用する時は注意が必要です。
夏の逆転結露対策で使用するインテロなどの調湿気密シートも使用しない方が無難でしょう。
デシカをより省エネで快適に運用するためには、高断熱高気密住宅理論の理解度と施工経験、施工精度が大きく左右してくる機器だと思います。