4月17日、YUCACOシステム研究会の第六回オープンセミナーが行われました。

近年、外皮性能が向上し、今までの全館空調設備の考え方ではオーバースペックで、設備にかかる費用とランニングコストを抑えられるシステムの構築が必要となっていました。

すなわち、一台の高効率エアコンで建物全体に熱を行き渡らせるシステムです。

このことに着目した、独)建築研究所の坂本雄三理事長(東京大学名誉教授)が音頭を取り、住宅をはじめ、公共施設、共同住宅まで、このシステムで施工し、オープンセミナーでデーターを持ち寄り発表しています。

今回はパッシブホームの4階建マンションにおける全館暖房システムの事例と、寺尾三上建築事務所の遺跡展示施設での展開事例、そして㈱リベストの東北地方の戸建住宅の事例が発表されました。

いつも意見交換させていただいている、ダイキン工業のデシカ担当者である教海氏と共に懇親会にも参加させていただきました。

懇親会では、㈱リベストの相原一徳社長に、冬の温度環境と夏の温度環境を詳しくお聞きしました。

東北地域はオール電化住宅が多く、暖房機器として蓄熱暖房機を長らく使用していましたが、ランニングコストが高いうえに、原発事故の影響もあり、省電力で賄えるこのシステムが大変注目されているようです。

このシステムのポイントは、

1、外皮平均熱貫流率Na値を次世代基準の半分以下とする。

2、換気システムと連動させたエアコンからの熱移動。

3、3W程度の高効率DCモーターを利用した熱を運ぶ流れ。

特にエアコンからの熱移動をスムーズに行うために、換気システムの給気側と排気側の設定を、必ずしも個室側に給気口を設けるのではなく、建物全体からの空気の流れを設計する必要があります。

東京都あきる野市で工事中の現場は、このシステムで流れを作る予定です。

今後はすべての住宅にこのシステムを取り入れ、より省エネで快適な住宅を創造して参ります。

YUCACOシステム2YUCACOシステム