創業する前は㈱パナホーム多摩に勤務し、ABCハウジング八王子住宅公園や立川住宅公園で、営業職として、展示場責任者として、そこでの14年間の経験が大きな支えになっています。
お世話になったハウスメーカーの悪口を書くつもりはありませんが、一番大きく伸びたスキルがクレーム処理という仕事でした。「何が起こってもクリアしてきた」その経験から生まれた自信が有るから独立できたともいえます。その頃のお客様で今もお付き合いさせて頂いている方も数十名います。
展示場責任者となりますと、新卒の若い営業マンを4~5名抱え、毎月平均すると3~4棟の受注を取り、年間で40棟程度の新築工事に携わります。
伝達ミスと経験、知識不足からくるクレームが大半ですが、建て主にとっては深刻な問題です。その連絡が次から次へと入ってきます。
机を叩いて大きな声で叱咤されますし、反論の余地のない場合がほとんどです。
入社した頃は本当に嫌で、その場から逃げ出したい気持ちを抑えるのに必死でした。
しかし面白いもので、何十回とクレーム対応していると、お客様の言行に一定のパターンがあることが分かってきます。
人間は大声で叱責できる時間は30分程度、その間は何も言わないで聞く。そしてそれまでに至ったいきさつをすべて聞く。すべて吐き出した頃合いを見て、おもむろに平身低頭して謝まれば、だいたいは次に進めます。
注文住宅は工事案件をこなすようになるとクレームが生じやすくなります。
そのスキルを今は全く使えないでいます。それは私の力というよりも社員と職人の力が大きいと思っています。
そのスキルを使わないために、毎週のように行うお客様との打合せであり、百枚以上書く変更図面であると思っています。