前回は透湿抵抗の内外比は首都圏のⅣ地域では外1に対して内側で2以上必要ということが解りました。

具体的に使われている材料の透湿抵抗を図に示してみます。

さすがに防湿層に使われているポリエチレンフィルムは170以上という高い数値を示しています。そして防風層に使われるタイベックは0.4以下というとても小さな数字になっています。

石膏ボードも高くなくて、水蒸気は通しやすいものだとわかります。発泡プラスチック断熱材は、押出し法ポリエチレンフォーム50㎜で60ということから、水蒸気を通さない材料だと解ります。

また意外と抵抗が大きいのは、構造用合板で9.9もあります。このことから、在来工法で耐震性を高めるために構造用合板を面材として使用する場合は注意が必要です。

構造用合板を面材として使用した場合は、室内側に透湿抵抗の高い防湿層が必要だということがこれでよくわかります。

外側に透湿抵抗の高いものをもつ場合には室内側を、より透湿抵抗を高くする。このバランスをしっかりと抑えることが、内部結露防止の基本なのです。


南雄三著「断熱・気密のすべて」より