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都市再生機構が(計画戸数8,450戸)開発している八王子みなみ野シティの宅地を購入されたI様の新築工事に昨年暮入りました。

今年の4月末に完成し入居されましたが、その隣接地所有の方からⅠ様の工事中に工事依頼を受けまもなく完成します。

そしてその5区画先を所有されている方からも工事依頼を受け、基礎工事が完成し、これから建て方に入ります。さらにその周辺所有の方から2件注文を受け工事をお待ちいただいています。

休日になると宅地所有者は草むしりや周りの状況を確認するためにちょくちょく来ています。その時に工事中の建物を見て回るようです。

大手ハウスメーカーから工務店まで色々な工事現場が有り、我社のすぐ近くでは、住宅本を出版しソーラーサーキットで有名な Mハウジングも工事をしています。

さすがに現場は綺麗だし、現場看板も立派です。しかし Mハウジングには相談もせず、我社の現場を見て決めて下さいます。
私が独立した頃は事務所も無く、営業仲間の情報から飛び込み訪問し、「山際さんには話を聞くだけです。すみませんね。」牽制の言葉を何度も聞かされながら入り込み、名も無く実績も無い工務店が大手ハウスメーカーを尻目に、建て主ご夫婦から「清水の舞台から飛び降りる気持で山際さんに決めました。」この言葉を何度聞いた事だろう。

そして飛び上がりたいような喜び、私の人生でこれだけ真剣になり集中し、手ごたえのある結果を得られる事に興奮し、お客様に感謝して、良い家を造るために、腕のいい職人だけで、腕を存分に振るえる環境を作ってきた結果、このように支持されているのでしょう。
初めて展示場に来るなり社長の私に「現場をよく見させていただいています。ハリマハウスさんに決めました。宜しくお願い致します。」と挨拶されるのです。

私はうれしい反面「いやーちょっと待ってください。一生に何度もある事ではないのです。もっと慎重に決めなくては、もっと色々なハウスメーカーに見積依頼しなくても良いのですか」と心の中の「営業マン」山際康雅が叫んでいるのが聞こえてきます。「営業」山際康雅は不要だといわれているようで・・・・ 。

現場に戻ると棟梁が嬉しそうな顔をして私に言う。「さっきI様の前の区画の方が来られて、お宅に決めたので社長に宜しく。といって帰りました」現場は盛り上がっている。「営業」山際康雅の出番はもう無いのだろうか。
いやきっと来る。数社から見積を取り、大手ハウスメーカーで決めようとしながら、疑心暗鬼な態度で「ちょっと話しだけ」聞きに来る、「営業」の喜びと楽しみを与えてくれる大事な大事なお客様が。

そしてその時は工事現場にだけは案内しない事にしよう。