今回は日射熱のダイレクトゲインです。
日射熱利用手法としては、OMソーラーのように空気集熱して利用する方法がありますが、弊社では基本的にエアサイクルはしません。
その理由は、エアサイクルさせると家中の匂いが巡ります。笑い話ですが、ご主人がベランダでタバコを吸うと屋根から集熱された空気に混じってタバコの煙が家の中に入ってきたそうです。又ダクトやファン等の設備が必要になります。そして気密性が損なわれます。
輻射熱の快適さを理解すれば、日射熱利用手法としてはダイレクトゲインになってきます。(この項は後日解説)
日射熱の利用は、取得熱量を増やす(集熱)、取得熱量の損失を抑える(断熱・気密)、取得熱を有効に利用(蓄熱)、の手法を用いて行います。
(集熱)
南面窓の開口率を延べ面積に対し15%程度とる。
(断熱・気密)
熱損失係数Q値を1.35W/㎡k(換気回数0.5回/h)以下で設計する。
隙間相当面積C値を0.5cm2/㎡以下で施工する。
開口部は木製またはプラスチックサッシ+南面の窓ガラスは遮熱Low-Eを使用せず、断熱アルゴンLow-Eを使用して日射進入率上げる。東面、西面、北面は遮熱アルゴンLow-Eを使用する。
(蓄熱)
1階は土間床普通コンクリート220㎜厚に開口部から直接蓄熱する。
二世帯住宅では2階床にもコンクリートを45㎜全面打設し蓄熱床にする。遮音性能も格段に上がる。
日照障害なしとして、南面窓は真南±30度以内に配置します。夜はシャッターやカーテンで開口部の熱損失を防ぎます。
上記の内容で暖房エネルギー削減20%程度。(自立循環型住宅への設計ガイドライン レベル3)
南面窓の開口率を20%まで上げれば暖房エネルギー削減40%。(自立循環型住宅への設計ガイドライン レベル4)です。