壁の中に入り込んだ水蒸気を排出するために、「透湿壁工法」と「通気工法」のどちらかを活用すればよいのですが、日本の外壁材は70㌫以上が窯業系サイディングを使用して透湿しないため、通気工法が主流となっています。
通気工法では外壁と断熱材の間を空気が通過するため、断熱材の通気層側に防風層と呼ばれる白いシートを貼り、断熱材の中に外気が入り込まないようになっています。
このシートは透湿防水シートとも呼ばれ「タイベック」等の商品名で販売され、空気も水も通さないのに水蒸気だけは通します。
内部結露を防ぐためには、以上のような壁構成になりますが、重要なキーワードは「外にいくほど開放」という言葉です。
水蒸気の流れの順番で透湿の抵抗を緩めていくということです。そうすれば水蒸気は勢いよく外に出ていきます。
外にいくほど開放ということは、水蒸気を通過させない度合いが外にいくほど弱く(小さく)なるということです。
この度合いを透湿抵抗と呼びます。
内部結露を起さないための、内外透湿抵抗の差(比率)は寒冷の度合いで違ってきます。
下表は次世代省エネルギー基準(2009年改正)で示された地域別の内外透湿抵抗の比です。内と外の区分は断熱材の外側が基点になっています。
南雄三著「断熱・気密のすべて」より